NMNとはビタミンB群の中に含まれる成分です。本来体内に存在するものですが、加齢と共に生産量が減少していきます。
NMNが減少すると、身体機能や認知機能の老化が進むといわれています。今回は、NMNの特徴や効能、摂取方法を紹介します。
NMNとは
NMNとはビタミンB群の中に含まれる成分です。正式名称は、「ニコチンアミドモノヌクレオチド」になります。本来NMNは人間の体内で自然と生産されるものですが、加齢とともに生産量が減少していきます。
NMNが減少すると身体機能や認知機能の老化が進むといわれ、老化防止には食品やサプリメントなどからNMNを摂取することが大切です。
NMNの特徴
NMNの特徴は、以下のとおりです。
- 抗老化成分
- サーチュイン遺伝子活性化
- ミトコンドリアの活性化
- フレイルの抑制
抗老化成分
NMNは体内で生産されるとビタミンB3やニコチンアミドと結びつき、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を生み出します。ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドは、エネルギー生産を担い、元気を出す作用があるのが特徴です。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを生み出す成分はNMNのほかにも存在しますが、NMNは直接吸収される物質です。もっとも効率よく吸収する成分として、効能を高める物質になります。NMN摂取により、フレイル抑制やインスリンの働きを高める臨床データが発表されています。
サーチュイン遺伝子活性化
NMNは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの生成を促進し、長寿や若返りのサーチュイン遺伝子を活性化させる成分です。あらゆる細胞にあるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドは、直接NADを摂取しても細胞には取り込まれません。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを細胞に取り込むには、NADの前駆体であるNMNを摂ることが重要です。ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドは年齢とともに減少しますが、NMNを摂取することで若々しく健康的な体を維持できます。
ミトコンドリアの活性化
NMNを摂取することで、ミトコンドリアの活性化を促してくれます。ミトコンドリアとは、エネルギーを生産する役割がある成分です。エネルギー生産以外にも、近年は免疫反応においても不可欠な働きをしてくれることが明らかになりました。
ミトコンドリアの質と量を劣化させる原因には、運動不足や過食などの関係があります。運動不足で細胞内のATPが余ると酸素と反応して活性酸素になり、体の老化を進めるのです。NMNの摂取によりミトコンドリアの質と量を向上させます。
フレイルの抑制
NMNの摂取によりフレイルの抑制が見られます。フレイルとは、明確な病気ではないものの、加齢とともに筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい虚弱な状態です。75歳以上の多くの人はこの段階を経て要介護状態に陥るとされています。
高齢になるに従って筋力が衰えるサルコペニア現象が現れ、生活機能が全般的に低くなるとフレイル状態になります。筋力や体力が衰えた段階をフレイルと呼びますが、主に移動能力や圧力の低下、体重の減少、疲労感の自覚などが見られます。NMNの摂取でフレイルを抑制することが可能です。
NMNは「非医薬品リスト」に追加
厚生労働省は2020年3月に食薬区分を改正し、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が新たに「非医薬品リスト」に追加されています。現在日本は少子高齢化が進んでおり、高齢者数は全体の34.7%を占めているのが現状です。
国民医療費は43.3兆円で年々増加傾向にあり、今後も増え続けることが予測されています。将来の医療保険制度の破綻が危惧されるなか、食薬区分の改正が行われました。
非医薬品リストとは、医薬品医療機器等法上は医薬品に該当しないと判断されている成分一覧のことです。食薬区分の改正により、NMNは医薬品ではなく食品扱いとなりました。
NMNで得られる効能一覧
良質なNMNの摂取は、細胞のエネルギーに最大の効果を発揮するといわれています。NMNで得られる効能には、次のようなものがあります。
- 老化の抑制
- 2型糖尿病の改善
- 肌の若返り作用
- 認知症の改善
- ミトコンドリアの働きを向上
- 肥満の改善
- 免疫力を高める
- 全身機能の回復
- 骨密度の高まり
- 学習能力の向上
- 活性酸素の低減
- 血管機能の改善
- 生殖能力の回復
- 筋力と圧力の改善
NMNで治療効果が期待できる疾病一覧

NMNで治療効果が期待できる疾病には、次のようなものが挙げられます。
- 老化
- 神経疾患
- 糖尿病
- 眼機能
- アルツハイマー病
- 脳内出血
- 虚血再灌流障害
- 機能障害
- 血糖値の異常
- 耳疾患
- 認知症
- 動脈硬化
たとえば、NMNは老化遺伝子の増加を改善させて老化予防効果を発揮してくれます。神経疾患では機能障害を回復させ、糖尿病は現象したニコチンアミドモノヌクレオチドを回復させて血糖値の異常を改善する効果が期待できます。
NMNを摂取したからといって、疾患が完治するわけではありません。しかし、効果を高めてくれる可能性があります。
NMNを摂取する方法
NMNを効率よく摂取するには、次のような方法があります。
- 食品
- 点滴
- 点鼻薬
- サプリメント
NMNの推奨摂取量は、1日あたり150mg~300mgといわれています。一部の食品にはNMNが含まれており、食生活に取り入れることで摂取することが可能です。たとえば、ブロッコリーやトマト、キャベツ、アボカドなどがあります。ただし、食品だけで推奨摂取量を補うのは難しいです。
そこでおすすめなのが、点滴や点鼻薬、サプリメントによる摂取です。点滴は、NMN含有の製剤を直接静脈に注射して投与していきます。直接静脈に注射するため、全身に行き渡りやすく、NMNの摂取効率を上げられるのが特徴です。また、NMNは点鼻薬から摂取することができます。
点鼻薬は鼻から投与するもので、嗅神経を通じて脳に直接効果を発揮します。点滴と同じく、鼻から直接投与すれば効率よく摂取可能な方法です。より手軽にNMNを摂取したいなら、サプリメントで取り入れる方法がおすすめです。1日に決まった量を飲むだけなので、多忙な方でも手軽に摂取できます。
NMNサプリの副作用やリスク
手軽に摂取できる方法として注目されているのが、サプリメントです。エイジングケア成分として注目されるNMNサプリメントの安全性に懸念を抱く人も少なくありません。NMNサプリメントの摂取に関して多くの研究が実施されていますが、サプリメントの摂取は比較的安全だと報告されています。
ただし、ほかの医薬品との併用や妊娠中の摂取に関する研究はまだ不十分であるため、摂取には注意する必要があります。
多くのサプリメントが販売されていますが、成分純度を開示する商品やGMP認定工場で製造するものを選びましょう。また、たくさん摂取したからといって効果が出るものではありません。長期間の高用量摂取は避けましょう。
まとめ
NMNの摂取により、老化予防やサーチュイン遺伝子活性化、フレイルの抑制などさまざまな効果が期待できます。NMNは本来体内に存在するものですが、加齢と共に生産量が減少していきます。
NMNが減少すると老化が進むため、予防するには摂取することが重要です。とくに、サプリメントは手軽に取り入れられる摂取方法です。研究でも比較的安全だと報告されているので、リスクを低減したいならサプリメントによる摂取方法がおすすめです。