マシンビジョンとコンピュータビジョンの違いとは?初心者向けに解説!

マシンビジョンとコンピュータビジョンの違い

マシンビジョンとコンピュータビジョンは似ているようで、実はその用途や目指すところに違いがあります。

マシンビジョンとは、機械が周囲の世界を「見る」ための技術です。一方、コンピュータビジョンは、コンピュータが画像や動画から情報を理解するための技術です。どちらがどのような場面で使われ、どのような役割を果たすのかを理解することにより、適切な使い分けが可能となるでしょう。

今回の記事ではマシンビジョンとコンピュータビジョンそれぞれの特性やできることを確認したうえで、違いに焦点を当ててわかりやすく初心者向けに解説します。これらの技術がどんな影響を持ち、我々の生活をどのように変える可能性があるのかを学ぶ参考となれば幸いです。

マシンビジョンの特性

カメラ

マシンビジョンとは、機械がカメラやセンサーなどを使って画像を取り込み、分析や判断を行う技術やシステムのことです。

産業用途に特化した技術で、最大の特徴は「画像を解析し、その結果を直接機械の制御に組み込むこと」にあります。これにより、ヒューマンエラーを減らし、作業の効率化を図ることが可能となりました。具体的には、自動検査やプロセス制御など、製品の品質を保つための役割を果たします。これらのタスクを可能にするひとつがマシンビジョンソフトウェアです。

マシンビジョンソフトウェアは、カメラからの画像データを受け取り、画像処理アルゴリズムを用いてデータを解析し、その結果を元に機械を制御します。産業の現場で重要な役割を果たすものです。

たとえばマシンビジョンソフトウェアツールやフレームグラバーなどを提供するEuresys社の「Open eVisionライブラリ」は、マシンビジョン検査アプリケーション用の画像処理・画像解析専用のソフトウェアツールとなります。3Dやディープラーニングをはじめとする最新技術にも対応しているため、活用できる範囲も広いといえるでしょう。

参考サイト:マシンビジョンソフトウェア 製品紹介 | Euresys

マシンビジョンができること

マシンビジョンの可能性について深掘りしていきましょう。製品の品質管理からロボットのガイドまで、多岐にわたる用途があります。

  • 品質管理と欠陥検出:製品ライン上で機械が製品を検査し、規格からの逸脱を自動的に見つけ出すことができます。これにより、人間が行う検査よりも正確かつ迅速に欠陥を検出できます。
  • ロボットのガイド:ロボットが作業環境を理解し、正確に位置を認識するためには、視覚情報が不可欠です。ここでマシンビジョンが役立ちます。

コンピュータビジョンの特性

アルゴリズム

コンピュータビジョンとは、コンピュータが画像や動画を見て、人間のように理解できるようにする技術のことです。

画像処理のアルゴリズムを進化させ、ディープラーニングを組み込むことで、より高度な画像認識や分析が可能になりました。画像や動画から情報を抽出し、その情報を解析することに焦点を当てています。

ディープラーニングは、人間の脳が情報を処理する方法を模倣した形の機械学習の一種で、大量のデータからパターンを学習し、予測を行うことができます。たとえば、「人間の顔を認識する」というタスクです。

コンピュータビジョンでは、人間が視覚を通じて世界を理解する能力をコンピュータに与えることを目指しています。その結果、自動運転車から監視カメラ、医療画像解析まで、あらゆる分野でその活用が期待されています。

コンピュータビジョンができること

ここでは、コンピュータビジョンがどのようなことができるのかを具体的に見ていきましょう。日々の生活から産業の現場まで、さまざまな場面でその力を発揮します。

  • 顔認識:写真や動画から人の顔を自動的に認識する技術です。スマートフォンのロック解除やSNSの自動タグ付けなど、私たちの生活に密接に関連しています。
  • 物体検出:カメラで撮影した画像や動画から、特定の物体を探し出すことができます。これは、セキュリティカメラの監視や自動運転車の周囲の環境認識などに使われます。
  • 自動運転:コンピュータビジョンは、自動運転車が周囲の環境を理解し、適切な動きをするために必要な技術です。これらの例からも、コンピュータビジョンの可能性は無限大であることがわかります。

マシンビジョンとコンピュータビジョンの違い

違い

マシンビジョンとコンピュータビジョンの主な違いは、画像処理した後の結果をどう利用するかという点です。両方とも画像処理の分野に属しますが、特に目的や応用範囲に違いがあります。

ともに今後もさまざまな産業分野で活用されることが予想される技術のため、さらなる新技術やアプリケーションの開発などによって、可能性が広がると考えられます。

目的の違い

マシンビジョンは、主に工業用途に特化した画像処理技術です。例えば、製品の品質検査や位置決め、測定などがあります。マシンビジョンでは、画像から必要な情報を抽出し、事前に定められた基準やルールに基づいて判断や制御を行います。マシンビジョンの目的は、人間の目に代わって機械が自動的にタスクを実行することです。

コンピュータビジョンは、より広範な画像処理技術です。コンピュータビジョンでは、画像から人間が認識できるような高度な情報を抽出し、理解や解釈を行います。例えば、顔認識や物体検出、シーン分析などがあります。コンピュータビジョンの目的は、人間の視覚に近づくようにコンピュータが画像を理解することです。

応用範囲の違い

マシンビジョンは、主に工業分野で利用されます。マシンビジョンは、高速で正確な画像処理が求められる環境に適しています。マシンビジョンでは、画像の撮影条件や対象物の状態をある程度制御できることが前提となります。例えば、照明やカメラの位置や角度、対象物の形や色などを調整することで、画像処理の精度や効率を向上させることができます。

コンピュータビジョンは、工業分野だけでなく、医療や教育、エンターテイメントなど様々な分野で利用されます。コンピュータビジョンは、多様で複雑な画像処理が求められる環境に適しています。コンピュータビジョンでは、画像の撮影条件や対象物の状態を制御できないことが多いため、ノイズや歪みなどの影響を考慮しなければなりません。また、画像から抽出する情報も多岐にわたります。例えば、人間の感情や意図、物体の属性や関係性などを推定することができます。

まとめ

マシンビジョンとコンピュータビジョン、二つの技術は類似点が多いですが、目指す方向性と使われる場面が少々異なります。

マシンビジョンは、製品の品質管理や欠陥検出、ロボットのガイドなど、産業用途に特化しています。その働きは一見目立たないかもしれませんが、私たちの生活品の品質を守り、生産効率を高めるために重要な役割を果たしています。

一方、コンピュータビジョンは、顔認識や物体検出、自動運転など、より広範な領域で使われています。これらの技術は、私たちの生活を便利にし、未来の社会を創造するための一翼を担っています。

二つの技術は、それぞれが特化した領域で力を発揮しながら、互いに補完的な関係を持っています。それぞれの持ち味を活かして、より良い社会を創造するために、これらの技術は今後も進化し続けます。これまで学んだことを忘れずに、これからの技術の発展に注目してみてください。

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