刀剣に斬れることが求められた戦乱の時代が終わると、次の時代にはに本当に美しさが求められるようになりました。
戦乱の世の中では、刀剣は、消耗品として扱われてきます。
そのような事態に刀を飾って愛でるというような行為を、人々は思い浮かばないのではないでしょうか。
平安で平和な時代であるからこそ、日本刀などの武器を床の間に飾り愛でる人々は出てくるのでしょう。
平和な時代において、日本刀は、美術品や工芸品などとして陶器や絵画などと同じように、美しさが求められ人々に愛でられてきました。
戦乱の世では人殺しの道具として使われていた刀が、平和な世の中では、唯一無二の美術品として床の間に飾られているのです。
時代とともに当刀剣の扱われ方は異なっていますが、人々は日本刀の魅力に引き寄せられるように、様々な時代を切り開いてきたのかもしれません。
日本史の中でどの時代を切り開いても、そこには、人々の暮らしの中に刀剣の姿が垣間見られます。