ワルファリンが使われる理由

ワルファリンは古くから使われている血液凝固薬ですが、新しい抗凝固薬よりも優れている点が3つあります。

それは、

①半減期が長いため多少の薬の飲み忘れがあってもカバーできること、

②効き目を客観的に評価しやすいこと、

③値段が安いこと

です。そのため、ダビガトランやリバーロキサバンなどの新しい抗凝固薬が登場した現代でもワルファリンは広く使われています。

ワルファリンの半減期は55~133時間と非常に長く、そのためワルファリンは持続して服用すると、薬の血中濃度が非常に安定するようになります。よって、毎日規則正しく薬を服用し続けていれば、たまに少し薬を飲む時間が遅くなったとしても血中濃度が大きく変動することはありません。

一方で、新規抗凝固薬は半減期が短く少しの飲み忘れでも薬の血中濃度が下がり、効き目が弱まってしまう可能性があります。以上の理由より、薬の飲み忘れや飲む時間が不規則な人には、半減期の長いワルファリンを選ぶ傾向があります。

ワルファリンには「PT-INR」という「薬の効き目を客観的に評価できる指標」があります。「PT-INR」は年齢や持病等に合わせて目指すべき値は示されてるため、薬剤師は個々の患者さんの状況に合わせて薬の量を調整することが可能です。新規抗凝固薬はこのような調節の手間が無くて良いという面もありますが、一方で「PT-INR」という明確な基準のあるワルファリンを使った方が良いと考える人もいます。

また、ワルファリンは新規抗凝固薬と比べると値段が10分の1以下と非常に安価な薬であるため、効果にさほど大きな違いが無いのであれば、コスト面で優れるワルファリンを選ぶという選択もあるでしょう。
しかし、新規抗凝固薬は脳梗塞の予防効果がワルファリンと同程度かそれ以上で、かつ出血リスクが少ないという長所があります。そのため、ワルファリンか新規抗凝固薬かはその患者さんにとってより効果的かつ安全な薬、という基準で選ぶことになるでしょう。”